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  • 2024/05/15 掲載

KDDIとローソンに見る「ある共通点」、“決め手”なき提携に「希望の光」はあるか

連載:大関暁夫のビジネス甘辛時評

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携帯キャリアauを擁するKDDIが、コンビニエンスストアのローソンと業務提携契約を締結し、話題を呼びました。携帯電話とコンビニという異業種の協業となった今回の提携ですが、実は両社には「ある共通点」が存在しています。その共通点とは一体何でしょうか。提携による両社の狙いとともに紐解きます。
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KDDIとローソンの共通点とは
(出典元: sdx15 / Shutterstock.com、 Nami Uchida / Shutterstock.com)

KDDIとローソンが提携を発表

 今回の資本業務提携は、2023年5月にローソンの親会社である三菱商事がKDDIにローソンの共同経営を持ちかけたということが発端であったと発表会見で明らかにされています。

 会見で三菱商事の中西勝也社長は、ローソンの価値向上に悩んでいたことを明かした上で、「新しい価値の提供が必要との認識に至った」と話したと報道されており、この業務提携第一の目的が長らく業界3位に甘んじているローソンの活性化にこそあるということが分かります。

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(左から)三菱商事の中西勝也社長、ローソンの竹増貞信社長、KDDI高橋誠社長
(写真:東洋経済/アフロ)

 コンビニ業界を眺めてみると、都心部、住宅密集地域を中心として、一定以上の安定的売り上げが見込める地域はすでに新規出店環境は飽和状態にあります。

 コンビニのビジネスモデル上、値下げ競争は避けるべきであり、となればライバルにない品ぞろえやサービスの創出か、あるいは他社比較上優位性の高いサービスの提供で、消費者の支持を高める戦略に打って出ることが求められることになります。同時に、飽和状態の国内を飛び出して海外展開に活路を見いだす、これもまた成長戦略における選択肢の1つではあるでしょう。

業界3位が「指定席」のローソン

1ページ目を1分でまとめた動画
 今月コンビニ各社が相次いで発表した2024年2月期決算においては、ローソンは国内における1店舗あたりの平均日販が55万6,000円で、69万1,000円で業界トップのセブン-イレブンの背中ははるか遠いばかりか、ファミリーマートの56万1,000円にも届かず、業界3位が指定席になった感が強く漂っています。

 トップのセブン-イレブンは1989年以降、国内市場の飽和を先読みしてか世界各国への進出も積極的に進めており、現在海外で6万を超える店舗網を築いています。

 同社は近年、特に北米での店舗増強に力を注いでおり、米国のコンビニチェーンを次々買収し、北米内での店舗数は現在1万5000店を超えています。米国でもフードメニュー開発に注力した日本型コンビニビジネスを掲げて、業容拡大を進めており、結果として、現在は海外収益が国内を上回りグループ業績をけん引する新たな柱に育っているのです。

 一方のローソンは、1996年に海外展開を中国からスタートさせています。その後もアジアを中心として海外進出を手掛けてはいるものの、その展開スピードは国内に比べてかなり緩く、現状の海外店舗は約6000店とセブン-イレブンの1/10足らずにとどまっており、海外事業は出遅れている状況にあると言わざるを得ません。

 ちなみにファミリーマートは現在8400店の海外店舗を展開しており、ローソンは海外でも業界3位に甘んじているのが実情です。 【次ページ】KDDIはローソンの「救世主」になるのか

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